クリエイツかもがわ│京都で感覚統合・発達障害、認知症介護や医療的ケアなど福祉分野の出版。グラフィックデザイン・イベント運営をしている出版社です。

認知症・高齢者

老いることの意味を問い直す

フレイルに立ち向かう

新田國夫/監修
飯島勝矢・戸原玄・矢澤正人/編著

老いることの意味を問い直す
  • ジャンル 認知症・高齢者

    判型 A5判・216ページ

    発行 2016年7月

    定価 2,420円(税込)

    ISBN978-4-86342-191-2 C0036

健康で長生きの切り札は、
フレイル(虚弱)予防!

65歳以上の高齢者を対象にした大規模調査研究「柏スタディー」の成果から導き出された、これまでの介護予防事業ではなしえなかった画期的な「フレイル予防プログラム」=市民サポーターがすすめる市民参加型「フレイルチェック」。
「食・栄養」「運動」「社会参加」を三位一体ですすめる「フレイル予防を国民運動」にと呼びかける。
フレイル対策は、これからの国家プロジェクトに位置づけられる…はじめてのフレイル対策の本!

CONTENTS

プロローグ フレイルチェックの高齢者サロンルポ
Part1 高齢者のフレイル論──上手に老いるには…飯島勝矢
フレイルとは
いままさに求められる「早期予防重視型システム」
「フレイル・ドミノ」─機能低下が顕在化する前からの早期介入がカギ
新概念「オーラルフレイル」─栄養(食・歯科口腔)からみたフレイルの流れ
最先端と最前線の融合
フレイル予防は「総合知によるまちづくり」

Part2 座談会1
栄養・身体活動・社会参加の三位一体で、フレイル予防を国民運動に
…飯島勝矢・戸原玄・矢澤正人  司会/新田國夫
高齢者はなぜフレイルになるのか
栄養面のフレイル期こそ気づくべきとき
三位一体」が医学概念を変える
よりシビアな段階での医師、歯科医師、栄養士の連携
フレイル予防の国民運動をどうつくるのか

Part3 8020運動を経て、オーラルフレイルへ…戸原玄
口腔の機能の重要性──パラダイムシフトに尽力した口腔機能向上プログラム
生活の視点─歯ありきでも嚥下ありきでもなく、患者さんの過ごし方をみる
オーラルフレイルの視点─治療対象を歯だけにしては追いつけない
待ちのスタンスから、生涯つき合う歯科医師へ─変わりつつある歯学教育

Part4 座談会2 栄養管理における発想転換
…水野三千代・矢澤正人  司会/新田國夫
和光市のコミュニティケア会議
超高齢化社会を生きる食
配食サービスの問題と活路
食を通じて生活をトータルに見る
すべてを根本的に変える発想の転換

Part5 栄養の意味を問い直す──地域、在宅での栄養の重要性と課題
…新田國夫
在宅高齢者の栄養評価に何が必要か
何となく不健康な在宅高齢者
高齢者と低アルブミン血漿

Part6 座談会3 食べることができなくなるとき
──「誤嚥性肺炎から胃ろう」への悪循環を断ち切る
…箕岡真子・秋山正子・戸原 玄  司会/新田國夫
医学的な問題
日常生活の問題
本人の意向の問題
関係者・家族・周囲の状況
悪循環を断ち切るには
本人・家族の意思と医学の関係

PROFILE

新田國夫

岐阜県出身。1967年早稲田大学第一商学部卒業。1979年帝京大学医学部卒業。同大学病院第一外科・救急救命センターに勤務。その後、生化学医学博士修得。1990年に東京都国立市で新田クリニックを開業。1992年医療法人社団つくし会設立、理事長に就任。地域の在宅医療に尽くし、22年間に1000人近くの患者を看取る。
日本臨床倫理学会会長、全国在宅療養支援診療所連絡会会長、福祉フォーラム・東北会長。

飯島勝矢

東京大学 高齢社会総合研究機構 教授

戸原玄

1997年に東京医科歯科大学歯学部卒業し同大学の高齢者歯科の大学院へ進む。大学院在学中に嚥下リハを勉強するために藤田保健衛生大学医学部リハ科に国内留学、ジョンズホプキンス大学医学部に留学し、帰国後訪問での嚥下リハに力を入れ始める。2008年より5年間日本大学歯学部摂食機能療法学講座にて都区内全域へ訪問の嚥下リハを進める中、東京都の摂食・嚥下専門研修、多摩立川保健所の摂食・嚥下機能支援事業に関わり、2013年より東京医科歯科大学高齢者歯科学に異動して同様の臨床や各種事業への協力を行っている。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 老化制御学系“口腔”老化制御学講座 高齢者歯科学分野准教授。

矢澤正人

1978年に、東京医科歯科大学歯学部を卒業後、同大学予防歯科学講座の大学院で、むし歯予防の研究を行い、1982年に博士課程を修了。その後、公衆歯科衛生の現場での活動を希望し、東京都杉並区南保健所に勤務。杉並区における寝たきり高齢者の訪問診療の事業化に携わる。2000年に東京都多摩小平保健所に勤務。2005年に多摩立川保健所に異動し、摂食・嚥下機能支援事業を開始。2012年に新宿区健康部に異動し、新宿区ごっくんプロジェクト(摂食・嚥下をテーマとしたリハビリテーション連携モデル事業)を進めている。
東京都新宿区健康部参事。